「戦いすんで日が暮れて 」で直木賞を受賞された佐藤愛子先生。以後、数えきれないほど多くの名小説やエッセイを書き続け、遂に98才にしてなお最新作「九十八歳。戦いやまず日は暮れず」を最近上梓され、これが又、「九十歳。何がめでたい」のミリオンセラーに続いてまたまた大きなベストセラーになっておられる由、あまりの凄さに、形容する言葉がありません。この佐藤先生とも前回(7回)ご紹介した鶴田先生がとても親しくて「東京のお母さん」と言っておられるほどです。
ある時「佐藤先生が腰が悪くて困っておられるので、行って足揉みをしてあげて下さい」と私に依頼されるので、ご自宅まで伺って足揉みをさせていただいたことがあります。痛みをとることについては 、私が普及と指導に関わっている官足法は、いささか効果もあり自信もあったので、一時間ほど足を揉んだ後「どうですか。楽になりませんか?」と聞くと「私の腰痛は足揉みでは、、、」と、言われます。私は佐藤先生が長年霊障に悩ませられていたことも知っていたのでそういうことか、と納得してしまい、話の継穂が無くなってつい庭を見て「良い庭ですね」と月並みのことを言ってしまったのです。佐藤先生は即座に「ここは私の戦場です」とキッパリ言われました。先生が嫌がるつまらない事をいってしまった私は、後悔と同時にこの言葉に本当感服してしまいました。庭を愛でるどころか毎日庭と対峙して、物を書いて生きるという修羅場をくぐり抜けて今日の確固たる作家の地位を築いておられるのだということに改めて気が付いたのです。