先日知り合いの方が、ソニーの株を持っていて「一時400円台まで下がっていた株が 13000円台になった!」と喜んでおられた。
私はかつてこのソニーの創業者の一人である井深大先生(幼児教育の専門家としても著名で多くの著書がある)にお目にかかる機会があったのです。
渋谷のマンションの4階にある私の会社に80歳前後のお年寄りが何度かお見えになって、その度に官先生の「足の汚れが万病の原因だった」の本と棒を10冊と10本づつお買いになります。ある日「官先生の講演会があれば、ぜひお伺いしたいのですが、、、」と言われました。「それならここに住所と電話、お名前を書いておいて下さい」と女性社員。隣の部屋で一連のやり取りを聞いていた私は、どうも普通の人ではないと思い、メモ書きを見ると、なんとソニー創業者の井深先生だったのです。慌てて4階から下を見ると大きな車の脇に直立不動の運転手さんがいました。上から「オーイ」と言うわけにもいかないので帰られた頃をみはからって電話をかけました。「いつも本と棒を有り難うございます。講演会をお待ちになら無くても私が官先生をお連れします」と言うと「私も私の仲間も年をとってだんだん身体が弱って来たので官先生の本と棒を渡しているのです。私のためだけでは申し訳ないです。それなら会社の幹部を集めますから講演会をお願いします」ということになって五反田にあったソニーの会議室で講演会が開かれました。さすが天下のソニー、幹部だけで60人の大盛況の講演会となりました。終わって食事をご馳走になったとき井深先生が私に「行本さん、あなたは大変良い本を出されました。私ども技術屋はこれからは哲学を持たないと仕事が行き詰まってしまいます。この本にはそれがあります。」と言われました。私はとても嬉しくて今でも忘れることができません。今のソニーの業績回復のバックぼーンにはこうした創業者の確固たる精神が脈々と流れているのだ、と私は株主で はないけれど喜んでいます。言うまでもなくその後官先生と井深先生は足揉みを通して親しくお付き合いをされたのです。