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これがわかる方は相当社会のアンテナの広い人だと思います。これは2019年に参議院議員選挙が行われた時、87歳でその選挙に立候補して話題になった野末陳平先生の選挙事務所に陣中見舞に伺った私が足もみを施しでいるところです。この野末陳平先生とは長い間のお付き合いをさせていただいています。「頭のいい銀行利用法」(1977年)というタイトルの本と続けて翌年出版された「頭のいい税金の本」(ともに青春出版社刊)でどちらも100万部を越えるミリオンセラーとなって一世を風靡し社会現象となったのです。この本の担当編集者として私と先生とのお付き合いが始まったという訳です。なぜこの2冊の本が売れに売れて社会現象になったのか。「銀行利用法」はタイトルもさることながら、当時は郵貯をはじめ各銀行間で利息に差があって、特に郵貯の定期は複利で増えるので5年も経つと他行とは大きく違った金額となって増えていったのです。そこに目をつけて「何処にどうお金を預けるのが得か」というテーマで出版したのがこの本なのです。「頭のいい」のは実は著者だったのです。もうひとつの「税金の本」は目から鱗の本でした。今では知らない人はいませんが、当時は誰も確定申告をして還付金が返って来るなどと考える人はいなくて、当時の主婦はサラリーマンの夫が持って帰るお金が唯一でその中から内緒でへそくりをつくるのが関の山、という時代に特に医療費などに思わね出費がかかって困ったという時に、誰でも翌年税務署に行って手続きをすれば、大抵2~3万円くらいのお金(税金)が帰ってくるよ、という本だったのです。出版された翌年から税務署に大 勢の主婦が並んで、税務署がてんやわんや、という事態になりました。
因みに先月末の総選挙で、立憲民主党から東京1区で立候補して比例区で当選されて同党の副議長をされることになった海江田万里さんは、この時は野末先生の秘書でした。
お二人ともその後は政治家として税金党を立ち上げたり、政治家として長年活躍されて来られました。ベストセラーというのはその時代のニーズに応えるタイミング、誰もが思わず手を出して買いたくたくなるタイトル、そして言わずもがな内容が斬新であるという三拍子揃っていることが重要である、とつくづく考えさせられた出版でした。