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現在の六本木の中心地にハリウッド化粧品、ハリウッド美容室、ハリウッド美容学校と、正にコンツェルンとも言える美の一大グループがありますが、それを夫の牛山清人さんと共に創り上げた御本人がメイ牛山先生です。メイ先生は私の出版社から美容全集(全6巻)など何冊もの本を出版をされましたが、この方ぐらい多くのエピソードをお持ちで多彩な経歴の持ち主を私は知りません。ハリー牛山というハリウッドの映画スターとしてデビューした牛山清人さんは、日本人としては最も有名な俳優早川雪洲(戦場にかける橋)の弟子として認められたのですが、ハリウッドで有名だった化粧品会社のマックスファクターの営業マンとして頭角をあらわし、ハリウッド映画全盛期の綺羅星の如く多くの有名な大スター達と交流を持つことになります。ドリス・デイ、マレーネ・ディートリッヒ、チャールトン・ヘストン、グレース・ケリー、ダニー・ケイ、グレン・フォード、マリリン・モンロー、、、、などなどそれらの多くの人的財産を元に、メイ牛山先生と共に六本木で美容サロンの経営を始めます。その後ハリウッド化粧品の発売、美容専門学校とつぎつぎに事業経営を成功に導き今日のハリウッドグループを創り上げたのです。
多彩なお付き合いの中でも特筆すべきはあの伝説の喜劇王チャールズチャップリンです。折しも日米の戦争が始まり、多くの在米日本人が敵性外国人として収容所送りとなり始めます。そこでご夫妻も急遽日本に帰国することになります。時を同じくしてある事件が起こります。チャップリンが可愛がっていた犬が通行人に噛みついて大怪我をさせてしまいます。「あの犬をつかまえて殺処分だ」という騒ぎになったのです。そこでチャップリンはメイ牛山夫妻に「私のこの犬を是非日本に連れて行って可愛がって下さい」と頼み込まれたのです。そこで長い船旅の末、横浜の港から上陸してチャップリンの愛犬と共に故郷の信州(長野)まで帰りました。
そのチャップリンの犬がある日繋がれていた鎖を切ってひたすら上陸した横浜埠頭を目指して東南方向に走って逃げたそうです。遠く離れた信州から海を超えてやって来た横浜埠頭までの道のりが判る犬の嗅覚が凄いのかその愛が凄いのか。小説にしたら良いような話ではありませんか。
ちなみに牛山清人さんの従兄弟はかの有名作家新田次郎さん(八甲田山死の彷徨など)、その妻も作家の藤原ていさん(流れる星は生きているなど)です。まだまだメイ牛山先生のエピソードにはキリがありませんが、またの機会に。